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11〜2031〜40
 
21.
ずっとここには
なんでも有って
なんにも無い
22.
声ひそめ
驟雨をしのぐ
蝉時雨
23.
奇しくも
時計草の下には一本の道があり
北壁に蝙蝠を映していた
24.
迷い疲れて海の底
波の花咲く
青い部屋
25.
雲をかさねて
空へと歩く
さかさの光が道しるべ
26.
雷魚が躍り
銀鱗の降る空
冬の空
27.
同じところに同じ色で
咲くたびに
花はあたらしい
28.
猫の背の
ぬくもりを梳く
指の行楽
29.
クェロロロロ
土の匂いで
鳴く蛙
30.
雨が庭から
草刈鎌を持った私を
閉め出した
 
11〜2031〜40