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21. ずっとここには なんでも有って なんにも無い
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22. 声ひそめ 驟雨をしのぐ 蝉時雨
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23. 奇しくも 時計草の下には一本の道があり
北壁に蝙蝠を映していた
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24. 迷い疲れて海の底 波の花咲く 青い部屋
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25. 雲をかさねて 空へと歩く さかさの光が道しるべ
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26. 雷魚が躍り 銀鱗の降る空 冬の空
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27. 同じところに同じ色で 咲くたびに 花はあたらしい
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28. 猫の背の ぬくもりを梳く 指の行楽
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29. クェロロロロ 土の匂いで 鳴く蛙
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30. 雨が庭から 草刈鎌を持った私を 閉め出した
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