案内
詩
◆
単葉
◆
複葉
雑記
記帳
リンク
▲サイトTOPへ
前の詩
次の詩
風力計
夏が長引いているとか
秋が遅いとか
みんなが正しいことを言う
そんな暑い九月に
銀杏並木へ向けて風の通る場所で
トマトとキノコのカルツォーネを食べた
後ろから強い風が
髪をばらばらに吹き散らし
頬は何度も打たれている
手元の、からになったビニール袋を
こんな風なら飛ばしてくれる
もういらないものを
私は何度も手放したくなる
ただ、銀杏のみどりがまぶしい時は
汗ばんだ手で
からの袋を持ったまま
風の背中をながめている
前の詩
次の詩
▲このページのTOPへ