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「ひとり読む本」

 今日は、ぱらぱらと『記憶の絵』(森茉莉著、1992年、ちくま文庫)を読みました。
 筆者の持ち味である秀でた観察眼に的を得た表現が合わさり、日常も華やぎも、まことに苛烈な筆致で鋭く抉られています。
 痛快という一面がありながら、読み進むうちにこちらの心に血が滲む思いもいたします。それは文章の背後に佇むものを豆腐に刺して供養してみたい、とでも言いましょうか。深いところで眠気が吹き飛ばされたついでに安らぎも巻き添えを食ったような感覚が残りました。

2008年5月1日(木)
「やまぼうし」

 やまぼうしは、ハナミズキに似た白い花です。
 黄みや赤みがかった若葉が育ち、くっきり冴えた緑の中で目を引きます。
 職場の近くのコンビニエンスストアに入っているパン類のラインナップが平凡でつまらないなんて話題は姿を変えた罪悪のような気がして過ごすのと対照の明るさをしています

2008年5月16日(金)
「看板」

 第一パン
 家から自転車に乗って、ずっとずっと走って行ったあたりで見かけました。
 私より背が高くて、ノスタルジック。
 写真ではわかりにくいですが、上部の丸には星が三つついています。

2008年5月18日(日)
「好み」

「どうして殺さなかったんですか。戻ってきたらどうするんです?」
「そういうことがあれば、私が責任をもって倒しますから。」
 真剣に請け合ったにも関わらず、同僚も先輩も釈然としない顔のままでした。以来、私は逃がしたことを秘密にしておくことにしています。
 大きくて立派な相手を逃がしたいという思いは、相手によって変わることがあります。最近も職場で、給湯室のシンクから這い上がれずにいた小さい虫を捕まえて外へ出しました。
 薄い灰色に微かな斑入りの足をしたその虫は、細いリボンの両脇へフリンジをつけたような姿で風にはためくように手足を動かし、さわさわと建物から遠ざかって行きました。

2008年5月31日(土)