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   飛雪繚乱
雪が降る
細かな白があちらこちらで螺旋を描き
風のまにまに八方へ飛ぶ

厚い雲の下に繰り広げられる景色はありふれて
たやすく見出したにもかかわらず
人の目には荷が重い

同色の飛行者達
などとひとまとめにされる前
彼らは思い思いの風に乗る
彼らを追おうとした視野は雪片のおのおのを起点に膨張し
足もとの道から街へ
街を行き交う人のそば
二つむこうの信号機まで行って引き返し
鼻先へ舞い降りたものを辿って空へと移る

それはもう、物狂おしいまで

乾いたアスファルトの上を転がり溶けて水滴となった氷は
ついさっきも今も目の横をかすめた白い一片とかつては同じ温度であっただけでなく
これから目に入るだろうすべての結晶の群れを成すひとひらずつにも既視感を抱かせる理由のひとつ

 

 
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