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花と発条
誰そ彼どきの桜の下へ
コンクリートの迷路に落ちなかった幽霊が来て
丸みを帯びた機械を持っている
角のとれた台形
水平に保たれた浅い皿
はめこまれたガラスの向こうには
丸いふちにそって一周する目盛り
たった一本の針はくすんだ青灰色をして
まったく光っていないのは
四月初旬のメタセコイヤのてっぺんを
ちょうど九十度にたわませて座った烏に盗られないため
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