「詩人が二人」
冬、家に居て一番寒さを実感するのは入浴時です。気温が低い日ほど、お風呂の温度がまるでお金で買った愛情のようにハイスピードで冷めてゆくからです。
それはさておき、実は私の母も詩を書いています。
私は母に詩の書き方を習ったわけではありません。読ませてもらったことも少ないのに、二人の詩は本質的な部分で似通っています。
詩に限ったことではありません。何か作品を作って発表したいという人は多かれ少なかれ、何としても手に入れたいものか、どうしても手放したい何かがある人ではないでしょうか。
母の詩に描かれる景色、空気、手ざわり。また、登場する動物達の足音に触れるほど、それらを書かずにはいられなかった魂の傾向と渇きに因縁めいた逃れられなさを感じます。そして、母の心の琴線は私のそれと数本は同じなのだろうと思わざるをえません。
2009年1月16日(金)