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11. 廃屋の上 柘榴の中に あかあかとめぐる秋
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12. いつも、暖かな方を目指す虫の 羽音が 白いシャツの肩から立った
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13. 眠気は先に寝るらしい 体から 夜型へひるがえる22時
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14. 聖堂の窓は天を仰ぎ 祈りの内へと ひかりをとおす
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15. 聞き飽きていないCDはタイムマシン その曲が好きだった私へと 時間をもどす
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16. 今、 を感じる私は深く 深く時間に触れている
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17. この腕のふぞろいなこと と、岸から見る 鳥の背にひらく対称
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18. 髪の色は変えられても 瞳の色は変えられない 血に書きつけられた色
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19. 雨晴れて 空の上方には青々と 口にできなかった孤独の冷たさ
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20. カモマイルひとさじ煎じ 水ぬるむ季節をよそに見る ひび割れ夢をすっぽりくるむ
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