「窓を開けて」
走っている車から手を出すのは危険です。今日も横を車で走っていた私はハラハラさせられた
のですが、選挙期間中は仕方ありません。白い手袋の数本に気をつけながら通り過ぎました。
さて、7月が終わろうとする夜はまだまだ暑く、この前は部屋の外でかすかな音がしていました。
「すととととたた」少し間が開いてから「したとととたたた」と、ごくごく小さい、長さ1cmあたりの
バチで太鼓を打つような音です。明かりをつけて廊下を見ると、そこには体長15cmぐらいのヤモリが
居ました。ヤモリというのは、山にいる赤い腹をした水の中で泳いでいたりする生物と混同されている
ことが多い生物ですが、赤い腹をしているのはイモリで、家の門灯の付近を狩場にしている灰色で
やや乾燥肌の四足がヤモリです。
15cmある個体はヤモリの中で大きめのほうです。昨日今日生まれた細い小指の先ほどのヤモリと違うのは
、まずかなりな判断力を身につけている点でしょう。「すたたとととと」と壁を走っては黒いつぶらな瞳で
抜かり無く辺りを確認します。
そして間合いを上手に計り、私の手をすり抜けて家具と壁の隙間へ走って行ってしまいました。
2005年7月30日(土)