「かわいい」
A B
机
C D
この前、モスバーガーで夕食を食べていたときのことです。近くの大学の学生さんが4人、上のような配置で座り、Cさんがトイレに行ったあと、残りの3人がいろいろおしゃべりしていました。
お店は、全部の座席が16〜20席くらいのこじんまりした広さだったので、他のテーブルの話もよく聞こえてきます。
Dさんが身を乗りだすようにして、Aさんに話しかけました。
D「なぁなぁ、プー、どう思う?」
A「プー?」
D「かわいいやんなぁ。」
A「え〜?あ、クマの。うん、まぁ、かわいいなぁ。」
D「うん。プーってな、たいていみんなカワイイって言うやんなぁ。」
A「うん。そやなぁ。」
D「それがな?K本(友達らしい)はな。なんでもかんでも可愛い可愛い言うくせに、プーだけはな!?可愛いやろって言ったら、いいや、とか言うねんで!」
Dさんは、クマのプーの可愛らしさを理解しない知人について、しばらく文句を言いました。
それまで黙って話を聞いていたBさんも、読んでいた店内用の新聞を置いて話に加わりました。
B「プーも可愛いけど、…スヌーピーのほうが自分的には可愛いな…。」
これにはDさんも共感。
D「あぁ分かる分かる!スヌーピーも可愛いよなぁ〜」
B「あの鼻がなぁ〜、可愛いねん!」
そこへ、トイレからCさんが戻ってきて話に合流。
C「スヌーピー?」
A「(自分は)どっちか言ったら、ウッドストック派かな!」
C「うん。ウッドストック可愛い。」
A「Tシャツとかもあるやろ?」
そこで、可愛いもの好きなDさんが、ちょっと気恥ずかしそうに告白。
D「…でも、でもな。一番可愛いのは、やっぱティガーやな〜…。」
A「ふぅん。そうなんや。」
聞いてもらえて、一層嬉しそうにDさんが言葉に熱をこめました。
D「うん!それも大人ティガーやなくて、ベビィティガーのほうが可愛いねん!」
C「え?ベビィバージョンなんかあんの?」
D「そうやで。ディズニーのベビィシリーズっていうのがあるね〜ん。」
Dさんは、他のお友達よりディズニーキャラクター商品に詳しいようです。
私も話を微笑ましく聞きながら、ベビィシリーズについて初めて知りました。
C「はぁ〜、…でもなぁ。」
運ばれてきた飲み物やバーガーを皆に配りつつ、Cさんが苦笑して言いました。
C「どういう話してんねやろなぁ…俺ら男4人で。」
「そうやなぁ。」と相槌を打つAさん、「そうかぁ?でもティガー可愛いで。」と言うCさん、その横で静かに微笑むBさん達は茶パツにGパンなどもおしゃれな、本当にどこにでも居るような男子大学生さんでした。
2004年10月4日