「中秋…原点その2…」
昨晩のお月さまは真ん丸で、白萩の花色で輝いていました。
さて、原点の話の続きです。
「北守将軍と三人兄弟の医者」は、まず名医の三人兄弟を紹介するところから始まります。
人の医者リンパー先生、リンパーの弟で馬やひつじの医者のリンプー先生、末のリンポー先生は草や木の医者でした。
三人とも腕が良く、人徳もあったのですが、お話の最初では、まだ名声も高くなく、高い位についているわけでもありません。
本文にはその理由は「いい機会がなかったため」と語られています。
次に、三人の名医の国へ凱旋してくるのが将軍ソンバーユーです。将軍は国の北辺の砂漠で三十年の長きに渡って
敵と戦い、ついに相手を滅ぼして帰還したのです。将軍は七十歳、彼の愛馬も今や三十五歳です。
つとめを果して帰ってきた将軍と兵士達を、城下の人々は嬉し涙を
流して出迎え、もちろん王宮からも将軍を迎えに大臣がやってきます。
ところが、馬を下りて参内しようとした将軍は、なんと身体と鎧と馬がぴったりくっついて馬から降りられないこと
に気づきます。将軍は三十年間一度も馬を下りたことがなかったのです。その上、将軍も兵士達も、その体には
植物ともつかぬ灰色の不思議なものが全体に生えていて、これではとても王様の御前へまかり出られません。
ソン将軍は急いでお医者にかかりに行くことになります。
2005年9月19日(月)